その日は母が風邪で熱を出した。
夕方会社から帰ってきた父にそのことを告げると「メールくれたら外で食べてきたのに。」と返ってきたという。
その晩、母は私に「(父は)自分は外でおいしいもの食べてくるんだね…」とこぼした。
王様のやさしさ
いつかTwitterのRT機能で回ってきたつぶやきを思い出す。
寝込んでいる奥さんに向かって「あ、俺の飯は気にしなくていいよ、外で食べて来るから」と言った旦那さんの"気遣い"を「王様の優しさ」と言った人がいたなあ…言い得て妙だと思ったよ。妻が食事の支度をするのは当たり前で、それを免除してやるって優しさのつもりなんだろうね。…奥さんの、ご飯は?
引用元:@chilime
まさに父のことだった。
父からすれば「(自分の)ご飯は作らなくていいよ」という気遣いだったのだろうが、そこから見える母に対する意識が根本的にズレていたようだ。
まず「食事の支度をするのは当たり前。それを免除してあげる」という上から目線の感覚。
明らかに母を格下に見ている。
自分が一番偉いとでも思っているのだろうか。
あぁ、偉いね。取締役だものね。
しかし、母は1年350日くらいフルタイムで炊事洗濯をしている専業主婦だ。
そんなに働いていて「負担が少ない」と思われるのは心外である。
休みが年15日だなんて、主婦が仕事として認められるなら労働基準法違反もいいところだろう。
ちなみに家事を時給に換算するとおよそ月収20万、子育てが加わるともっと高くなるそう。
お金で優劣を決めるものでもないが、稼いでるから偉いんだ!と威張っているお父さん。
これを知ってもまだ自分の妻を下に見続けるのですか。
昔は亭主関白が当たり前。
現代は奥さんが強い。
しかしそれぞれ外と内で家庭を支えているのだから、夫婦は対等な関係であるべきだと私は思う。
まぁ母も母で、父の言うこと聞いて甘やかし続けたせいもあるのだろうけど。
とここまで広げておいてなんだが、「メールくれれば食べて帰ったのに」と言った時の父はおそらくそんなに深々と考えてはいない。
単純に空腹でご飯のことばかり考えていたかもしれないし、外食の口実がほしかったのかもしれない。
しかしそれもまた母のモヤモヤの原因となったのではないかと思う。
私はパートナーがいないので想像でしかないが、気遣いができない以上に「大切に思われていないんだ」という寂しさだったり悲しさが大きかったのかもしれないと。
熟年離婚の理由でよく聞く「小さい不満の積み重ね」のひとつはこういうことなのかな、なんて思ったり。
自分でも何が言いたいのかわからなくなってきたが、つまりはそういうことで。
旦那さんはどうか、普段から奥さんのことを考えていてほしいのです。
「ご飯俺が作るよ」とまでは言わなくてもいい。
料理しない人もいるし。
「何か買って帰ろうか?」とか「何をしたらいい?」と聞いて、簡単なことで構わないので頼まれてほしい。
我が家なら「大丈夫?」の一言でもいいかもしれないな。
子供の立場でどうしてこれを書いたかというと、母親の不満はたいてい子供にこぼされるからです。
話を聞くのが面倒なので、世の旦那さま方は何卒よろしくお願いします。
以上。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。