よしまのメモ帳

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テレビドラマの飯テロを受けて、漫画「孤独のグルメ」1巻を読んでみた。

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「孤独のグルメ」の新装版第1巻を読みました。

孤独のグルメとは、テレビ東京系列で放送されているドラマの原作漫画です。
私が見ているTVQでは金曜深夜に放送されています。
ドラマは現在5期目が放送されていて、友人に薦められて今期から見始めました。

見事、飯テロを受けました。
1話で白旗あげました。

肉や魚、野菜まで毎週ジャンル問わず美味しそうな料理を五郎さんが食べるんですが、これが深夜に見るにはつらい!

毎週主人公が食べるご飯がものすごく美味しそうなんです!
いや料理ドラマなので美味しそうじゃなきゃ成り立たないのは当たり前なんですけど。
わりと親しみのある料理が取り上げられていて味を想像しやすいのでしょうか、番組に登場する料理を見ているとどんどんお腹が空いてくるんです。
1話で登場した焼肉を見たときには「明日は肉!肉食べるぞ!」と心に決めて布団に入りました(笑)

そんな週末を過ごしているうちに週1回の視聴では我慢できなくなって原作の漫画を買ってきたというわけです。
随分前に発表された作品なので堂々と内容について触れながら、感想を書いていきたいと思います。

作品について

原作が久住昌之氏、作画を谷口ジロー氏が担当されているグルメ漫画です。
1994年~1996年まで「月刊PANJA」という雑誌で連載されていたそうです。
現在は不定期で「SPA!」に掲載されているとのこと。

あらすじ

主人公は輸入雑貨の商売をしている井之頭五郎さん。
五郎さんが東京都内を中心に仕事等の用事で行った土地の店に入りご飯を食べる、というグルメ漫画です。
単純明快!(笑)

感想

輸入雑貨商の主人公、井之頭五郎が商談終わりに、商談前に、出張先で、目についた店に入って食事をする。
至ってシンプルなお話です。

2008年に第1刷が発行され、2015年9月の時点でなんと第55刷となっていました。
こんなに人気の作品だったとはつゆ知らず、私は軽率に「飯テロこんにゃろー!」と思っていたのか…。

本は厚く200ページ近くありますが、1話あたり10ページ(表紙込)なのでちょっとした合間にサラッと読むことができます。
1巻には1話から18話までと特別編が1本収録されています。

話の流れは大体決まっっており、
用を済ませる→お腹が空く→店を探して入る→食べる→満足!
という感じの1話完結漫画です。

五郎さんが入るお店の料理は何も特別なものはありません。
うな丼とかちょっと豪勢なときもあるけど。

豚肉炒めや定食、焼きそばに回転寿司。
18話に関してはコンビニ食をドカ食いしています。
でもファストフードやチェーン店は嫌いらしい。

グルメ漫画って普段読まないので感覚がわからないんですが、こういう普通の料理を取り上げるのって珍しいんじゃないでしょうか。
こう、もっとキラキラしたようなものが多いようなイメージがあるのですが。

五郎さんはグルメというより食いしん坊なのかな?
こだわりはあまり持ってなさそうですし、ドラマでも思いましたが食べる量がとにかくすごい。
特にさっき触れた18話のコンビニ食。
夜に小腹がすいたからと買ったご飯なんですが

うずら、きゅうりの漬物、お味噌汁、
コンビーフ、卵焼き、
おでんの玉子・大根・白滝
白米

などと仕事用デスクいっぱいのコンビニフードを食らっていました。
無我夢中で食べる姿はなんだか可愛らしく見えてきますw

だけど五郎さん、食材のダブりはいい加減注文する時点で気づいてください!(笑)

グルメ漫画といえば美味しそうな作画。
孤独のグルメでは料理の絵は意外と少なかったです。
注文した料理の全体をひとコマで描いて説明をしたら、あとは小さく映りこむくらい。

「あれ、これグルメ漫画だよね?」と疑ってしまいましたが、その全体像がとても美味しそうなので間違いなくグルメ漫画です。
8話の焼肉が特に好きですね。
お肉の焼き目に脂のツヤ感。
涎が出てきそうです。
3話の豆かんも小豆の1粒1粒がリアルで写真家と思いました。

リアルなのは料理だけではありません。
街の風景や小物も細かく描き込まれてトーン等が貼られていて、細かすぎて引きました(コラ
どれだけ練習しても自分には描けません( ̄▽ ̄;)あんな風に描けたら楽しいだろうな~。

料理の絵が少ない分、そんな細かな街や店内、五郎さんの表情などが多く描かれています。
また90年代前半の街並みなので懐かしさも感じるんですよね。
五郎さんは今はあまり見かけないいかにも「セダンです!」というような車に乗っていたりして。

自分が生まれた頃の風景なのでそれを言うと「覚えてないだろ」と言われそうですが、田舎は発展が遅いので90年代後半でも地元はこんな感じだったんですよ。

美味しそうな料理に空腹を覚えつつ、懐かしいような、少しさみしいような気持ちも感じました。
デパートの屋上遊園地とかフードコートとか今はもうないもんなぁ。

五郎さんが行った土地全体の空気を楽しむ。
この漫画の魅力というのはここなのかな、と思ったりします。

生活感のある、自分でも経験したことがあるような、何気ない光景が描かれているところが親近感がわいてのほほんと楽しめます。

14話の「行こうとしたお店が閉店していて寂しい…」という気持ちとか、感じたことがある人は多いんじゃないでしょうか。

メニュー選びに失敗したり後悔する部分があるところも人間味があって良いな~と思います。
珍しくないですか?美味しいものを愛でる(?)ためにページを開いたら、五郎さんが微妙な顔をして食べてるんですよ(笑)

頼みすぎて食べきれず残してしまったり、蒸気で温められるシューマイ弁当を買ったら新幹線の車内がシュウマイ臭でいっぱいになってしまったり、結局シュウマイは可もなく不可もなくな味だったり。

他人事と思ってはいるもののうっかり自分もやるかもしれない事態にクスッとしちゃいました。

実写ドラマのような飯テロを求める人が読むと少々、いやかなり物足りないと感じることでしょう。
私もそれで手に取ったので最初の印象はちょっと不満でした(笑)

しかし食べ物だけでなく、作品の世界全体を味わうことができる漫画だと分かってからは力を入れず楽しく読むことができるようになりました。
これも一つのグルメの形かな。

ただ10ページはあっという間なので、もう少し1話のボリュームがあったら良かったなぁと。

逆に原作ファンがドラマを見ると、街のシーンが少なくて物足りなくなってしまうかもしれません。

次巻はいつ買おうかな〜。

2巻に収録されている話は2000年代に発表されたものだそうなので、もっと現代寄りの景色になっているかと思います。
食べる料理にも変化はあったのか気になるところです。