よしまのメモ帳

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【ややネタバレあり】脳直映画レビュー「クソ野郎と美しき世界」

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先日、映画「クソ野郎と美しき世界」を観てきたので感想を書いていきたいと思います!

先に結論から言ってしまいますと、とても面白かった!

私はSMAP及び新しい地図を応援している人間なので贔屓目もあるかもしれませんが、普段キャスト目当てで見ても面白くない作品はバッサリ切るタイプなので(笑)
今回はわりとフラットに見た結果の「面白かった」だと思っています。

当記事では映画館で初見で楽しんでいただきたい部分については書いていませんが、それ以外で少しネタバレする可能性がありますので

ネタバレに神経質な方はご注意ください。

語彙力皆無の個人的発散記事ですが、お時間がありましたら読んでいって、あわよくば映画を観に行っていただけたら嬉しいです。

語彙力ゼロレビュー「クソ野郎と美しき世界」

▽まずは予告編から。

クソ野郎と美しき世界」は新しい地図(稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾(敬称略)の3人)による短編オムニバス映画です。
4月6日(金)より全国86館で2週間限定上映されています。

各エピソードのタイトルは以下のとおり。
※()内は監督名

  1. ピアニストを撃つな!(園子温)
  2. 慎吾ちゃんと歌喰いの巻(山内ケンジ)
  3. 光へ、航る(太田光)
  4. 新しい詩(児玉裕一)

 

Ep.1 ピアニストを撃つな!

エピソード1は稲垣吾郎さん(以下、ゴローさん)主演の「ピアニストを撃つな!」。

新しい地図のプロモーション映像から始まり、「クソ野郎と美しき世界」のタイトル。

からの、シャワーシーン(笑)

ピアニストということで優雅さを出すための演出でもあるんでしょうが、ゴローさんの上半身裸を見られるなんて貴重ですよ。
見どころその1ですw

シャワールームから出て、ピアノを弾きはじめると物語が始まります。
物語というか回想と言ってもいいのかな。

ピアノを弾きながら事の経緯を語るゴロー、
恋人である大門(浅野忠信)の元から逃げ出し、追われながらゴローの元へ走るフジコ(馬場ふみか)、
それを追いかける大門達。

このエピソード1はなんというか、とにかく疾走感がものすごい!

ジェットコースターとか激流下りとか、アトラクション的にガーッ!ワーッ!と話が進んでいくような。
深く考える暇がありませんでした。

登場人物や状況の説明はゴローさんの語りでまかなって、起承転結の「転」だけで出来ている感じですね。
そう書くと「結(オチ)は!?」ってなるんですが、それはエピソード4で見られるので大丈夫。

園子温監督の作品は「愛のむきだし」の冒頭部分くらいしか見たことがないんですが、なんとなく「あー、っぽい」と思いました。
オーバーな…といったら悪くとられるかもしれませんがそんな演出(屋台に敵を投げる、フジコを追いかける)とか、くっきりした色合いとか。
お祭りの中を追いかけっこしているのでポップな色が多いこともあって、スクリーンを見ているとテンションが上がるというか、パワーをもらえました。

主要人物のキャラもはっきりくっきり濃ゆくてですね。
短編なので深掘りされてはいないので主に見た目について。

ヒロイン・フジコのきわどい服と派手なメイク、キャピキャピ感もそうなんですが(個人的には結構好きです)、
ガスマスクつけて特撮の悪の大王みたいな服着て暴れる浅野さんを見られるのって多分この作品だけなんじゃないでしょうか。
良い意味で大物役者の無駄遣い!って感じです(笑)

気になったのは、ゴローさんの元カノである文学少女。
フジコ達を追いかけるんですが、後半は文豪や本の名前を言っているだけという…
特に伏線もないのでただ「付き合っていたころにゴローさんが呟いた「フジコ」が気になって追いかけた元カノ」なんでしょうが、気になります。

クソ腐女子脳では大門の部下であるジョー(満島真之介)を「可愛い…」と思って見ていました。
人の痛みに共感して痛がっておいおい泣いちゃう人で、よしよししたくなりました。

あと本編関係ないですけど、ピアノ一本で穏やかな時間や恐怖などいろいろなシーンを表現していてピアノってすごいなぁと改めて思いました。

Ep.2 慎吾ちゃんと歌喰いの巻

この時点で2000文字書いていました。
あと3話あるのに気が遠くなるわ!

カラフルで賑やか(騒がしい?)な空気が一転、エピソード2は色の少ない夜と、歌喰いのシーンからスタート。

元歌手で現画家(アーティスト)の香取慎吾、
壁に絵を描きまわって警察に怒られた日の夜、絵の代わりに歌を歌おうとしたところ、歌喰い(中島セナ)に歌を喰われてしまう。
そこから始まる一夜のお話です。

個人的にこのエピソードが一番好きでした。
同時に現実と重なって、胸が痛くもなりました。

元歌手。
歌を喰われる。奪われる。

もう、つらいよう。

作中で喰われた歌もSMAPの曲では…という説もあったりなかったり。

最終的には戻ってくるのでホッとするんですけどね。
現実もそうなってほしいと願いつつ。

内容としては、予告もまだ公開されていない頃タイトルだけ見て「ギャグっぽい」と思っていました。
でも見てみると単館系映画っぽいような気がします。

特別大きな事件や演出はなく、淡々と進む物語。
慎吾ちゃんの何気ない自然な演技もよく合っていて心地良い空気感でした。

なかでも惹きつけられたのが、歌喰いを演じる中島セナさんの存在感です。

なんでしょう、現実離れしたオーラがすごいんです。

街の中に紛れてただ存在しているような、
でもハッキリとした存在感があって。

撮影当時11歳だったそうで、あどけなさもあり、11歳とは思えない落ち着きっぷり(そういう役ではありますが)もありで静かに圧倒されました。
普段モデルとして活動されているそうですが、ご本人の興味があればまたお芝居を見てみたいなぁと思いました。

そして淡々とした中にも分かりやすい笑いどころがあったりしてダレないところも良かったです。

予告編でも言ってましたけど、あれです、ウ〇コ。
ウ〇コと裸と爆破は間違いないですよね(笑)
鮮度を落としたくないので詳しくは書きませんが、シーンとしていた劇場に一気に笑い声が溢れましたw

また作中の慎吾ちゃんの部屋には実際に慎吾ちゃんが描いた絵が置かれていまして、そちらも見どころだったりします。
絵を見たことがない人は是非確認してみていただければと思います。

Ep.3 光へ、航る

芸人の太田光さんが監督されたエピソード3、「光へ、航る」。

事故で亡くなった息子、航(わたる)の右腕を移植した相手の女の子を探して旅を始める。

「右腕を移植した女の子が行方不明に」というニュースを見て沖縄にやってきた工藤夫婦は、その女の子が誘拐されたことを知る・・・

と、だいたいのあらすじはこんな感じです。

ウッとなるシーン(殴る・指を切り落とす寸前など)がありますので、苦手な方はご注意ください。

「ピアニストを撃つな!」が起承転結の「転」しかないとするなら、こちらは起承転結全部入りって感じでしょうか。

「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」も始まりから終わりまで描かれていますが、こちらの方がわかりやすく展開していっています。

息子の右腕を探して旅に出る→問題が起きる(少女誘拐)→それを助ける→ハッピーエンド

という感じの正統派ストーリー。

ですが合間合間に時事ネタでクスッと笑わせてくれるあたりに太田監督っぽさも垣間見えます。

これは長編で見たいな〜。

草なぎさん演じる工藤も ヤのつく怖い人→良い人 という、この頃の草なぎさんといえばというような役で、ある種の正統派かな。

各エピソードの主人公は皆クソ野郎の要素があるそうなのですが、金を巻き上げる、家庭をほっぽらかすなど工藤は特にわかりやすいクズさでした。

でも冒頭、妻の不倫相手を脅す、「ヒッ!」となるような恐ろしい顔アップは必見です。

このワンシーンだけでも草なぎさんの役者っぷりを感じられます。見どころその3です(笑)

また尾野真千子さん演じる奥さん(名前忘れた…)の芯の強さというかしたたかさがかっこよくて素敵でしたね。

女が惚れる女ってこういう人なのかなーと思いました。

勘だけで最初北に行ったりオスプレイが何かわかってないアホさもありますが(笑)

でもラストで少女を助け出して別れる前、移植された航の右腕に触れるときの愛おしさなど色々な気持ちのこもった表情はお母さんの顔で、私は子供を持ったことがありませんがグッときてしまいました。

工藤とも相性ピッタリというか、草なぎさんと尾野さんの相性が良いんですよね〜。前にも夫婦役されていましたし。

人物といえば、このエピソードは1の「ピアニストを撃つな!」とつながっていて、工藤が大門と連絡を取るシーンもあります。

ピアニスト〜のほうでジョーが「工藤さん」という人からの電話を受けていますので、観る際は聞き逃さないようにしてみてください。

 

Ep.4 新しい詩

エピソード4は今までのエピソードの主要人物がクラブ「KUSO UNIVERSE」に集まってそれぞれ楽しんでいる、ミュージカル作品となっています。

支配人の歌でわいわい盛り上がるオープニングから、しっとりしたピアニスト吾郎の演奏へ。

その音を聞いて、清楚にドレスアップしたフジコが吾郎の元へ…

それを見た大門とジョー、からのエピソード1の回想へ。

一方では工藤の奥さんがおまわりさん(新井浩文)と話していたり、歌喰いが2階で俯瞰して見ていたり。

歌を喰われた慎吾ちゃんは無事歌を取り戻し(その過程は回想にて)、皆を巻き込んでフロアで歌い踊ります。

歌っている「新しい詩」がまず良い曲ですし、久しぶりに歌って踊っている姿を見てとても感動しました。

もうね、キラキラしてる。

監督の児玉裕一さんは多くのミュージックビデオを撮られている方で、調べたらSMAPでは「華麗なる逆襲」という楽曲のMVを作られているんですね。

楽曲は奥さんである椎名林檎さんが書かれているんですが、曲も映像もかっこいいので知らない人は見てみてください(突然の宣伝)

で、今回のシーンを見て「あぁ〜〜これだよこれ〜〜〜」とワクワクして、心が躍るとはこういうことなんだなと実感しました。

ジャズっぽさが結構多くて個人的にツボを突かれまくりました。

文字で色々書くよりとりあえず聴いてみてください。

最後は作中のクソ野郎たちに向けているのか、現実の3人に向けているのか、新しい船出を祝うような支配人のナレーションで幕を閉じ、エンドロールへ。

ピアノメインでしっとりとした「地球最後の日」は賑やかだったエピソード4からクールダウンさせてくれます。

吾郎さんと草なぎさんが歌っているんですが、曲にも物語性があっていろいろ考えてしまう歌でしたね。

まぁとりあえず聴いてください(2回目)

また黒バックに白い文字でエンドロールが流れていきながら、歌詞の日本語の字幕が出るんですよ。

そこが洋画っぽくてなんか好きでした。

 

この感想より100倍面白い

以上、映画「クソ野郎と美しき世界」の感想を書いてきました。

レビューは書きたいことを書けて楽しいけどとてつもなく時間がかかる…(笑)

長々とお読みくださりありがとうございます。

キャッチコピーの通りぶっとんでるけど、どのエピソードも愛(情)が詰まっていて、面白くてあたたかい(熱い?)映画だったなぁ…。

この面白かった気持ちが少しでも伝わっていれば幸いです。

私はSMAP及び新しい地図を応援している人間ではありますが、正直あまり期待していませんでした。
メンバー、スタッフ、ファンの方々に本当に申し訳ないです。

というのも、大物(?)が主役の映画って今まで個人的にあまりハマらない作品が多くて。
脚本がアレというか、大規模な作品は集客をキャスト諸々のネームバリューに頼ってるというか…ごにょごにょ…

だから今回も有名監督で、そんな感じなんでしょーって思っていたんです。

でもいざ観たら全然違いました。

小規模だからこそ、縛りがなく本領発揮された結果のこの作品なのかもしれません。

この感想で伝わったものの100倍は面白いので、1mmでも興味がありましたらぜひ劇場へ足を運んでみてください。

2週間限定上映ですのでお早めに!

私も期間内にあと1回は観に行きたいと思います。