先日、友人と「芸能人のアフレコに対する違和感」について話す機会がありました。
宣伝のために声優ではなくタレントの方をキャスティングすることは、以前から事あるごとに批判されてきましたよね。
最近は宣伝と実力のバランスを取りながら起用されている作品が増えてきましたが、それでもやはり違和感が拭えないなぁ、というのが所感です。
気づけばアニメや声優さんにハマって10年。
キリが良いので、友人と話しながら気づいた違和感の理由をメモしておこうと思います。
読んでくださった方のちょっとしたモヤモヤが解消されたらラッキー、でなければ一個人の戯言と流していただければ幸いです。
芸能人のアニメや吹き替えに違和感がある理由
メモする前に、「声優の仕事がなくなるから嫌だ!」という面倒くさいオタの理由は今回除外していますことをご了承ください(暴言)
また読みやすくするため、当記事では「声の仕事」のことを「声優」、声優の方を「声優さん」と表現しています。
それを除いた芸能人のアフレコ・吹き替えに違和感がある理由としては
- 配役が無理やり
- 演技力などの技術不足
この2点が大きな要因かと思います。
これだけだと「そりゃそうだろ」となるので(笑)
以下、具体的に書いていきます。
1.声と役が合っていない
これは作品ファンとしても「絶許」となる理由ではないでしょうか。
最近はありませんが、まさに「宣伝のためにタレントを起用して叩かれるパターン」ですね。
ドラマの役に合わせて俳優さんをキャスティングするように、大前提として、声優としても声質、芝居の仕方が合っている方を選んでいれば違和感はなくなるでしょう。
ちなみにこの理由に関してはタレントの方に限った話ではありません。
個人的に思い浮かぶのはマクロスF、ランカ・リー役の中島愛さん。
当時デビュー作品ということで演技力等は…でしたが、声がピッタリと合っていて通る声(後述します)であったため、見ていてほとんど違和感がありませんでした。
逆に明らかに合わない、客寄せパンダにされていると感じる作品は好きな声優さんが出ていても見ない…というか飽きます。
幸いそういう経験はありませんが。
2.演技力、技術力の問題
続いては、技術面の問題。
タレントさんは声優が本職ではありませんから当然といえば当然で。
そのため声優さんの中に入ることで浮くというか、違和感がある…というのが友人の意見でした。
くわえて、自分は以下の理由から違和感を覚えることに気づきました。
1.キャラクターでなくキャストが喋っている。
端的に言うと「役作りがされていない(できていない)」。
画面と台詞を合わせることに気を取られているのか、それこそ技術力なのかわかりませんが、そのためキャラクターではなく中の人が喋っているように聞こえて違和感をおぼえるのではないかと思います。
「じゃあ声や話し方を変えればいいのか?」ということではなくて。
ドラマや映画でも役ごとに変えるように、といいますか。
顔は同じでも違う人だと認識するじゃないですか。しません?(汗)
2.声が通らない
中の人が喋っているように聞こえる理由としてもうひとつ、「声が通らない」というのがあると感じます。
個人的には滑舌や演技力より重要です。
声優さんの声ってものすごく通りますよね。
たとえばドラゴンボールの孫悟空役の野沢雅子さんは、声量がありすぎてアフレコマイクを壊してしまった、という逸話があります。
まぁ野沢さんは特別な例ですが(笑)
声優さんって声質が控えめでも耳に届きやすかったりしますよね。
視聴者はその「通る声」に慣れているため、いわゆる普通の声を画面を通して聞くとなんだかこもって聞こえてしまう。
画面を隔てて現実の人間が喋っているように感じるわけです。
なので同じ芸能人でも、歌手や歌が上手な方、舞台経験が多い方の吹き替えはわりとすんなり聞けます。
発声がしっかりしている、小さな声でもちゃんと言葉を届ける必要がある、というところが声優と似ているのかもしれませんね。
3.演技している感が強い
棒読みも「えー…」となってしまいますが、声だけで感情などを表現しないといけないということで、悪く言うと大袈裟に喋っている方には違和感があります。
私達の普段の話し方ってそんなに抑揚ありませんよね。
海外ドラマかよ、っていう。
ただ、自然な中に感情を乗せるって難しくて、まさに職人技だそうで(業界の方のインタビューより)
そりゃ仕方ないよなと。
ルパン三世の声をされているものまねタレントの栗田貫一さんも
「モノマネでデフォルメするのと違い、新聞を読んでいるときなど何気ないときのルパンの声を出すのは難しい(要約)」
と言っていました。
演技している=キャラクターが喋っていない
となり、中のタレントさんが喋っているように聞こえるのかなと思います。
あと経験が少ないということで、プロの真似をしている臭いがするのも違和感の原因かなと。
あえて声優以外を起用する作品について
でもそんな中で、ジブリやサマーウォーズなどの細田監督作品と呼ばれるものはタレントさんを起用しています。
このあたりは詳しくないのであまり触れませんが、ジブリについてはタレント起用の理由を「普通の人の声が良いから」だと言っていた記憶がありますのでそういうことなんでしょう。
最初は違和感がありましたが、そこまで貫くともう慣れた気もします。(それを当たり前にして良いとは思わないけど)
それでも声優さんを起用していたトトロや魔女宅、ナウシカなどを見ると、なんとなくしっくりきます。
まとめ
以上、しばらく声オタをしてきた一個人の意見でした。
芸能人のアニメや吹き替えに違和感がある理由として共通するのは「中の人が喋っているように聞こえる」という点ですね。
何度か「仕方ない」と書いてきましたが、だからこそ「声優さんをキャスティングして!」と言いたくなるのだなぁ、と客観的に思ったりしました。
作品をつくる一員として「本職じゃないから」免罪符にはなりませんので。ねぇ、制作さん?